freee株式会社 様

https://www.freee.co.jp/
事業内容 「クラウド会計ソフト freee」「クラウド人事労務ソフト freee」の運営 設立 2012年7月

ユーザーへの本質的な価値提供を実現する手段として、「RODEM」との連携を決めました。

個人事業の開業から、法人会社設立、上場に至るまで、あらゆる事業ステージにおける経理作業の効率化を実現するクラウド会計ソフト「freee」。会計の自動化、分析アナリティクス機能による経営意思決定支援、API化による拡張性の3点を強みとしたプロダクトとなっています。

「freee」の価値基準のひとつである「マジ価値」とは、『ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをする』という意味を持ちます。このマジ価値を追求し、経費精算業務におけるベストプラクティスを実現するための手段として「RODEM」との連携を決めたfreee株式会社 水野谷様に、「RODEM」連携の決め手やメリットについてお話をお聞きしました。

freee logo

■RODEM連携のきっかけ

『ユーザーへの本質的な価値提供を実現するベストプラクティスになると考えた』

freee01
 
freee株式会社
水野谷 将吾 様

元々はユーザーとして「RODEM」を利用していました。当時の所属がマーケティングチームで、主に展示会やセミナーなどのオフラインイベントを行っていたため、移動が多く発生していました。移動が多く発生すると避けられないのが、日程調整やカレンダー入力を起点とした業務です。この業務が実に面倒で何とかハックできる手段は無いかと外部ツールを探していた時に「RODEM」を見つけました。サイト上で利用体験ができる仕組みになっていたため早速試したところ、カレンダー連携機能がUI・UXともに非常に優れていると感じ、すぐにユーザーとして利用することを決めました。

一方で、毎月の経費精算時には「RODEM」からデータをCSVにダウンロードし、「freee」の経費精算機能に転記する作業が必要でした。この作業も非常に面倒で何とかならないかと考えたときに、「RODEM 精算連携API」との連携を思いついたのです。「freee」の価値基準の中のひとつに「マジ価値」という言葉があります。これには『ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをする』という意味があります。「freee」はフリーランス向けプロダクトからスタートし、その後法人会社設立から上場までをサポートするプロダクトに進化しますが、その過程で出てきた課題が、一社一社の業務課題に向き合っていくための方法を模索することでした。企業規模が大きくなるにつれて、全てのユーザーのマジ価値を実現するためには、自社パッケージだけだとどうしても限界が来てしまいます。そこで、あらゆる機能要望に対応できるように「freee」をAPI化しておくことを次の事業成長の柱として考えていました。「RODEM 精算連携API」は、連携によって解決できる内容が明確ですので、連携する際にどのAPIをどう使っていいかわからないといった迷いが生じません。既に「freee」と「駅すぱあとWebサービス」は連携していましたが、ユーザーとして利用した立場から「RODEM」とfreeeの経費精算機能を連携することが、ユーザーのマジ価値につながると考えました。

■連携の決め手

『ある意味一番使っているSaaSが「RODEM」だった』

freee02

マジ価値を実現する上で、例えば「RODEM」を利用する際に、はじめにログインが必要なUXだとサービス体験側として面倒さからは解放されません。その点、「RODEM」はログインの必要がなく、カレンダー登録時に自動で移動経路と時間が表示されるため、意識せずとも裏側では常に「RODEM」を使っていることになります。私自身、G Suite、Slack、Workplaceと並んでよく使っているSaaSが「RODEM」でしたので、このことに気づいた時には思わずハッとしました。相当UXを考え込んだのだろうなと思いました。また、カレンダー登録の際、移動時間を含めて登録する人とそうでない人がいて、混乱してしまう状況がしばしば起こっていました。カレンダーに2時間の商談予定が入っているから、移動時間込みだと思っていたら実は移動時間は含まれておらず、時間通りに場所にたどり着けないといったトラブルもありました。このような事態が頻繁に起きると、だいたいは社内でカレンダールールを設定しましょうとなるのですが、当社では毎月何十人と社員が入ってきますので、1ヶ月ごとにカレンダールールを知らない人が増えていくことになり、ルールの周知がとても大変になります。仮に移動時間を含めないルール設定にしたとしても、結果的に移動時間を各自で調べる必要が出てきますので、これではマジ価値は実現できません。「RODEM」であれば、商談時間さえ入れていれば移動時間は自然に反映されますので、このようなトラブルや手間は発生しません。マジ価値を追求する上で「RODEM」の精算連携APIが最適であると確信し、連携を決めました。

■連携のメリット

『部門間のハレーションをなくし、バックオフィス業務の全体最適を実現』

freee03

開発で一番良かったのはスピードです。当初は導入検討締切りまで2ヶ月程度しかなかったのですが、ヴァル研究所とお会いして2日くらいで導入検討に必要な情報を揃えていただき、結果2週間程度で正式リリースをすることができました。個人的には、これまでで最も楽しかった開発だと感じました。

連携のメリットとしては、まず外に出る営業の経費精算業務の負荷が圧倒的に軽減されたことですね。仮にひとりの営業が1日2社を回るとして、20営業日だと40社、往復まで入れると余裕で100件を超す件数の転記が必要となります。これは対外的な成果獲得にフォーカスをする営業にとっては相当な業務負荷でありストレスです。また、経理側にとっても大きなメリットがあります。経費精算業務の面倒さゆえ、営業側の申請作業がなかなか進まなかったりすると、期限内に経理作業が締められない場合が出てきます。内部統制の観点で考えると、経理が期限内に作業を締めやすくなるということもユーザー価値に直結すると考えます。そして、監査の観点ではデータの正確性もメリットとして挙げることができます。営業が手入力をするとなると、どうしても打ち間違いが起こってしまいますが、上場を考えている場合、時期が近くなればなるほど、データにミスが無いという正確性がマストになります。ヴァル研究所側のマスターデータに誤りがない限り正確性が担保されるという点は、特にエンタープライズ企業にとっては価値が高いと考えます。

また経費精算における大きな課題として部門の壁があります。例えば営業部と経理部がそれぞれ異なるシステムを使っていて、営業部が使うシステムが経費精算システムと繋がっていないことがあった場合、部門間の意思疎通がうまくできないことで、営業部と経理部との間に余計なハレーションを生んでしまっていることがしばしば見受けられます。このような事態を避けるためには、これからのあるべきバックオフィス像として、フロントからエンドまでをしっかりと考えた「バックオフィス業務の全体最適」を行っていく必要があると考えています。「RODEM」との連携によって、経費精算業務における部門間の壁を取り払うことができたことを嬉しく思っています。これからは「イケてる経理は全体最適」のような世界感が広がっていくと面白いかもしれないですね。

■今後の展開

『「freee」と「RODEM」を組み合わせることがベストプラクティスだという訴求をより広めていきたい』

世の中のシステムのシェアで見ると、クラウド市場はまだまだ小さな市場であると考えています。「freee」の強みはPublic APIを公開している拡張性ですので、今後も連携先を増やしていって、クラウド市場全体を盛り上げていけるような動きを仕掛けていきたいですね。ヴァル研究所ともアライアンスを強化していき、経費精算業務は「freee」と「RODEM」を組み合わせることがベストプラクティスだという訴求を、より広めていきたいと考えています。

(取材日:2019年5月22日)