株式会社コンカー 様
https://www.concur.co.jp/
事業内容 出張管理、経費管理、請求書管理クラウドサービスの提供
「経路検索作業が必要なくなる」という画期的な機能実現のおかげで、自社サービスの先進性が向上しました。
企業の間接費を最適化するクラウドソリューション群を提供する米Concur Technologies(以下Concur)の日本法人として、2011年に設立された株式会社コンカー様。Concurは、1993年に米国シアトルで創業し、T&E(経費・出張管理)サービスの草分けとして、全世界で4万社、Fortune500企業の60%以上が利用、年間8兆円を処理し、世界4,500万人に支持されるこの分野のデファクトスタンダードとなっています。(注:実績数字は2017年5月現在)
この世界で支持されるサービスを日本でも提供し、日本企業の競争力強化に貢献することをミッションに事業を展開する同社では、「RODEM」連携による画期的な機能実現が、自社サービスの先進性向上につながったと言います。実際に検討に携わられた事業開発部 部長の阪尾様に、「RODEM」連携の決め手と効果についてお聞きしました。
■RODEM利用のきっかけ
「『Concur Expense』の付加価値を高めるために、最適な連携パートナーを探していた」
株式会社コンカー
事業開発部 部長
阪尾素行様
当社が提供する「Concur Expense」は、経費精算・経費管理を全自動化することで、従業員の生産性向上や経費の見える化、不正経費のガバナンス強化を支援するサービスです。特徴として経費精算・経費管理作業の効率化だけに目を向けるのではなく、そもそもその作業を行うタイミングは適切か、さらには本当にその作業は必要かなど、経費精算・経費管理作業に関わる全てのシーンを想定した効率化の実現を目指しています。この実現のために、当社ではオープンプラットフォーム戦略という構想のもと各シーンで最適なパートナーを開拓し、これまで連携を行ってきました。その中で、日本でのサービスリリース前に声をかけたのが、経路検索業界のパイオニアであるヴァル研究所でした。
当初はヴァル研究所とは経路検索機能での連携を想定していましたが、様々な理由でその時は連携実現に至りませんでした。結局、別の会社と経路検索機能の連携を行うことになりましたが、リリース後しばらくしてヴァル研究所から連絡があり、あらためて「是非、力になりたい」とアポイントの依頼をもらいました。正直なところ、既に経路検索機能では別の会社と連携をしていましたので、ヴァル研究所と新たにパートナー連携を行う可能性は低いと考えていました。それでも、熱心に依頼をもらいましたので会ってみることにしました。
実際に会ってみて、それまでの印象がガラリと変わりました。それは、経路検索機能以外の分野でも何とかお役立ちしたいという姿勢で、社長を含め皆さんが熱心に話をしてくれたことでした。これであれば、新たな分野でのパートナー連携を視野に話が進められそうだと感じ、月に1回のペースで定期的な情報共有の場を設けることになりました。
■導入の決め手
「経費精算時も、移動計画時も経路検索作業は必要なくなる。強力な武器になると感じた」
その情報共有の場で、まだリリース前であった「RODEM」の存在を知ったのですが、はじめに話を聞いて衝撃を受けました。「これは画期的であり、まさに当社のオープンプラットフォーム戦略にも合致する」と強く感じ、話を聞いてすぐに連携実現に向けた検討を進めていくことになりました。ここまで心を揺さぶられたのには、2つ理由があります。
1つ目は「経路検索作業の効率化ではなく、それ自体をなくすという画期的なコンセプト」です。
経費精算を行うシーンで考えると、1つの行動予定が決まれば、移動計画を立てるところから作業が始まります。はじめに目的地の最寄り駅はどこかを調べ、出発地から目的地までの移動経路と移動時間を調べるために1回目の経路検索作業を行います。そして、移動当日になると今度は実際のダイヤ情報を調べるために2回目の経路検索作業を行い、さらに月末の経費精算を行うシーンになると、それぞれの移動で発生した交通費を調べるために3回目の経路検索作業を行います。この一連の作業が、1つの行動予定が決まるところから経費精算を行うまでのシーンで必要となります。これらは各行動で必要となりますので、結果として多くの従業員が、日々の中で何度も経路検索作業を行っていることになります。
これが「RODEM」を利用すれば、行動予定が決まった段階でスケジュール登録さえすれば、自動的に移動経路も登録されますので、移動計画時にわざわざ経路検索作業を行う必要はありません。加えてスケジュールと経費精算を連動させておくことで、経費精算時にも経路検索作業を行う必要はなくなります。これはとても画期的なことだと感じました。
当社が経費精算・経費管理における全てのシーンでの効率化を支援し、その中でヴァル研究所は移動計画から経費精算までの経路検索作業におけるシーンでの効率化を支援してくれます。この連携シナジーが、当社が掲げるオープンプラットフォーム戦略に大きな恩恵をもたらしてくれることを確信しました。
2つ目は「『RODEM』との連携が、自社サービスの強力な武器になること」です。
多くの企業が、従業員が経路検索作業を何度も行っているという業務の無駄に気づいていながらも、直接費の最適化ばかりに目がいきがちで、間接費に関する業務の効率化までは施策が浸透していないのが現状です。昨今「働き方改革」という言葉が主流となり、各企業が実現に向けた取り組みを行っています。もちろん否定はしませんが、例えば従業員の残業時間を減らすために20時以降はオフィスを消灯するという施策を行ったとしても、それだけでは本質的な働き方改革にはつながらないのではないかと考えています。むしろ、日々の中での間接費に関する業務を少しでも効率化し、それを積み重ねていくことこそが本質的な働き方改革につながっていくと考えています。
その意味で「RODEM」連携によって企業側にも大きなメリットが出て、且つ当社としても真の働き方改革実現のための支援がより強固にできるようになる点に大きな魅力を感じ、自社サービスの強力な武器になることを確信しました。
■導入後の効果
「『RODEM』連携のおかげで、自社サービスの先進性が向上した」
連携実現までのプロセスでも、当社からの改善要望に対してヴァル研究所は迅速な対応をしてくれました。おかげさまでより満足度の高い機能が実現できたと考えています。そして、2016年11月に「RODEM」連携機能をリリースしました。実は、リリース前に米国本社の社員を集めて機能デモを行ったのですが、デモ画面は日本語であったにも関わらず、プレゼンを聞いた社員から「これはすごい!」と一斉に歓声が上がり、中には「阪尾はいつから魔法使いになったんだ!」と冗談とも本気とも取れる感想を言う者までいたほどでした。やはり私自身が「RODEM」の存在を知った時に受けた衝撃は間違いではなかったのだと、再認識することができました。
営業面でも同様に「経路検索作業が必要なくなる」という画期的な機能のおかげで、デモ画面を見ていただくことで、多くのお客様から驚きと感嘆の声をいただいています。当社にとって、自社サービスの先進性が向上し、お客様により満足いただけたことはとても嬉しいことでした。
■今後の展開
「1社でも多くの企業に、本質的な働き方改革実現の支援を行っていきたい」
「経路検索作業が必要なくなる」という画期的な機能は、もちろん企業にとっては大きなメリットがあるのですが、一方でやはり先進的すぎるために、全ての企業ですぐに取り入れていただけるかというと、そこはまだまだ当社としても啓蒙活動が必要だと認識しています。
先程もお話しした通り、日々の業務の中での間接費に関する業務を少しでも効率化し、それを積み重ねていくことが本質的な働き方改革につながると考えていますので、1社でも多くの企業に「RODEM」連携によって実現した機能を認知してもらい、メリットを感じていただいて、さらなる利用拡大を目指していきたいと考えています。これからも当社の戦略パートナーとしてよろしくお願いします。
(取材日:2017年5月8日)